公園の海岸沿いや河川敷から撮影する夜景は水面に反射した明かりが美しく、幻想的な雰囲気を感じさせます。ウォーターフロントでの撮影は水面の美しさを強調するためにも、長秒時露光が基本。シャッター速度によって水面の写り方が変化していく様子から学んでいきましょう。
ウォーターフロントの夜景スポットは小生が特に好きなジャンルでもあります。夜景撮影はどうしても街明かりのみに注力しがちですが、手前に水辺がある場所で撮影すると街明かりや街灯が水面に反射し、光が浮かび上がったような綺麗な写真が撮れます。シャッター時間を長くすることで、肉眼で見る明かり以上に美しく見せることができます。水面に反射した光からは穏やかさや優しさが伝わり、幻想的な雰囲気も感じられます。街明かりだけでなく、満月の日には月明かりが反射した写真を撮ってみるのも面白いかもしれません。
綺麗なウォーターフロント夜景を撮れるかどうか。それは、シャッター速度の長さで決まると言っても過言ではありません。シャッター速度が長いほど、水面に反射した光が穏やかな感じになり、美しさが増します。最近の高感度に強いカメラであれば手持ちで撮れるシーンも増えていますが、手持ちだとシャッター速度が短い分、どうしても水面に穏やかさが無くなってしまいます。それでは、実際にシャッター速度による水面の写り方の違いを見ていきましょう。
[ 1/20秒 ] | [ 1/10秒 ] | [ 1/5秒 ] |
[ 0.4秒 ] | [ 0.8秒 ] | [ 1.5秒 ] |
[ 3.2秒 ] | [ 6秒 ] | [ 13秒 ] |
作例は観覧車のカラーが変化しているため、ビルの明かりが水面に反射した部分を比較して頂くとわかりやすいと思います。シャッター速度が長くなるにつれて、水面が穏やかになっているのがわかるはずです。何秒ぐらいが綺麗に見えるかは人によって好みもありますが、一般的には10秒以上が綺麗に見える目安だと思われます。
ウォーターフロントの夜景撮影はシャッター速度を意識する以外にそれほど難しい技術は要しません。ただ、海が見渡せる夜景スポットは撮影に適した場所が木造のデッキになっている場所が多く、デッキ上はわずかな振動でも三脚に伝わってしまいます。そのため、デッキ上に歩行者がいる場合は歩行者が過ぎ去るまで待つか、人が少ない時間帯を狙った方が確実です。また、少しでも振動の減衰力が優れたカーボン製の三脚を使うことで、少々の振動であれば防げることも。
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