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感動夜景

展望室・ビルからの夜景撮影

市街地にある展望室・ビルからの眺望は素晴らしいものです。大都会の灯りを一望でき、眼下から遠くまでの大パノラマが見渡せます。そんな夜景をキレイに撮るにはコツがあります。いきなり撮影テクニックから入りたいところですが、まずは展望室・ビルならではの撮影ルールを知ることが重要です。

まずは夜景撮影時のルールを知ることから始まる

展望室・ビルから夜景を撮影するにあたり、施設側のルールを知ることから始まります。最近は都内を中心に展望室やビルからの撮影で、三脚や暗幕を禁止する施設が増えています。屋内からの夜景撮影はカメラを固定するのはもちろん、窓ガラスへの写り込みも防ぐ必要があり、屋外での夜景撮影に比べると難易度は上がります。そのため、三脚や暗幕が使えない環境下での夜景撮影方法も紹介します。

展望室・ビルで良く見られる撮影ルール

日本一?厳しい撮影ルール
日本一?撮影条件が厳しい展望室。カメラ固定禁止となると事実上夜景撮影は不可能?
  • 三脚禁止(最も多い・混雑時のみの施設も)
  • 暗幕禁止(最近増加傾向)
  • カメラ固定禁止(ごく一部の施設のみ・夜景撮影は事実上不可)
  • 特定方向のみ撮影禁止(住民へのプライバシー配慮?)

展望室・ビル夜景の特徴

いきなりシビアな話から入ってしまいましたが、場所によって厳しいルールがあっても展望室・ビルならではの魅力があります。撮影者の観点でのメリットを上げてみました。

360度の夜景が見渡せる施設が多い

特に有料の展望室は360度の視界が見渡せる施設が非常に多いです。市街地の中心にあることが多いため、光量もあり見応えのある夜景が楽しめます。東京や大阪を中心に360度の夜景が楽しめる施設は全国にあります。

外から見た展望室の様子
写真は大阪府咲洲庁舎展望台。360度の方向が見渡せる

超広角レンズが活かせ、望遠レンズ使用時も風の心配が無い

展望室・ビルはガラス越しに眼下まで見下ろせる施設が多いため、超広角レンズが活かせるロケーションでもあります。山や丘から撮影する場合、手前は薄暗いことが多く、標準域で撮影することも多いのですが、展望室は様々なバリエーションで撮影が楽しめます。屋外と違って風の心配も無いため、望遠レンズを使ってもブレの心配はありません。

超広角ズームレンズの作例
16mmという超広角域で眼下を見下ろすように撮影。写り込み対策も一苦労

季節に左右されず夜景(撮影)を楽しめ、治安の心配も無い

展望室・ビルの利点は空調管理がされていること。屋外の夜景スポットは夏は暑く、冬は寒いのが当然ですが、屋内の展望室は年中安定した気温下でゆっくりと夜景を楽しめます。空気の澄んだ冬は撮影条件が良い上、暖かい場所から撮影出来るのは大きなメリットです。また、屋内だけあり治安の心配も無く、女性同士でも安心して夜景を楽しめるでしょう。

展望室の様子
屋内の展望室は快適で過ごしやすい

夜景撮影時の基本テクニック

屋外での夜景撮影であれば、三脚にカメラを固定するだけで十分ですが、三脚が使えない施設もあるため、 3つの方法を紹介したいと思います。ちなみにカメラの固定が完全に禁止されている施設の場合、超高感度で手持ち撮影するしか方法はありません・・・

フラッシュ(ストロボ)を必ずOFFにする

通常の夜景撮影と同じく、フラッシュは必ず発光禁止(OFF)に設定しましょう。窓ガラスに向けてフラッシュを発光すると光がガラスに反射してしまい、夜景は全く写らなくなってしまいます。また、屋内でのフラッシュ発光は周囲の迷惑になることも。

展望室のガラスに向けてフラッシュを発光した様子
フラッシュの光が反射した例

カメラを固定する

夜景撮影の基礎編からお伝えしている通り、屋外での夜景撮影と同様、屋内でもカメラを固定して手ぶれを防ぐ必要があります。三脚が使えない施設での固定方法も含め、最後にカメラの固定を方法を紹介します。

コンデジをミニ三脚で固定
コンデジ用ミニ三脚なら500円ぐらいから購入可

写り込み対策をする

展望室からの夜景撮影で特に必要な対策です。窓ガラスに反射した光が写真にも写り込んでしまうため、写り込み対策をしないと左のような写真になってしまいます。

写真にガラスに反射した写り込んだ例 写り込みが無くキレイに写真が撮れた例
[ 失敗例 ] 窓ガラスに天井の照明が写り込んでいる [ 成功例 ] 暗幕や忍者レフで写り込みを防いだ

オマケにもう1つ夜景撮影テクニックを紹介します。それは「窓ガラスを綺麗に拭くこと」。もしくは「窓ガラスの綺麗な場所を探すこと」。外側の窓ガラスは汚れていても仕方ありませんが、内側の窓ガラスには手垢や指紋がついている場合も。できるだけ窓ガラス越しでも綺麗な夜景を撮りたいものです。レンズ用のクロスを窓ガラス用とレンズ用の2枚持っていくのも一つです。

3つの手ブレ対策

屋外・屋内を問わず重要な手ブレ対策。三脚が使えれば理想ですが、三脚が使えない場合の固定方法も取り上げます。

【◎】三脚でカメラを固定

三脚が禁止されていない場合に最も理想の固定方法です。コツとしてはなるべく、窓ガラスにカメラのレンズを近づけること。レンズをくっつけてしまうと両方にキズがついてしまう可能性があるため、くっつけないように注意しましょう。窓ガラスが離れている場所は手すりに三脚の脚を置くことになりますが、脚を1本ずつ動きを自由に変えられるタイプの三脚が理想です。(廉価な記念写真用の三脚は脚が固定されているケースも)

三脚でカメラを固定

【○】雲台でカメラを固定

次に三脚が禁止されている場所や荷物を減らしたい場合に活用できます。三脚から雲台のみを外し、そのまま手すりに置くだけのシンプルな方法です。写真の例は雲台だけでカメラを固定すると転倒の危険があることから、SLIKの展示台を使っています(現在は販売休止中の模様)。また、雲台だけの固定だと縦構図もできず、下向けのアングルだと転倒しやすくなるので注意が必要です。施設によっては三脚と同等の固定具とみなされ、注意される可能性もゼロではありません。

雲台とSLIKの展示台を活用してカメラを固定

【△】カバンやクッションにカメラを固定

三脚が禁止されている施設で気軽にカメラを固定する方法です。手すりにそのままカメラを置くと水平を保ったりアングルの調整が難しいので、カバンやクッションの上に置く方法もあります。写真の例は「Green Pod」と呼ばれる三脚ネジのついたクッションにカメラを固定し、手ぶれを防いでいます。三脚が禁止されている場所での固定方法として最も活用されていますが、カメラの固定自体を禁止されるとほぼお手上げです。

Green Podをクッション代わりにしてカメラを固定

3つの写り込み対策

次に写り込み対策を紹介します。お金がかからない対策としてはコートや手袋でカメラを覆う方法ですが、暗幕であれば1,000円前後、忍者レフであれば5,000円前後で購入できます。暗幕とコートの差はそれほどありませんが、軽装になる夏にも撮影するのであれば暗幕はお勧めです。

【◎】忍者レフなどの専用機材で覆う

写り込みを防ぐ上で忍者レフなどの専用機材を使うのも一つです。忍者レフの利点は写り込み防止効果が高いことはもちろんですが、レンズに固定できるため、両手がふさがらないことが一番の利点だと言えます。コートや暗幕を使うと両手がふさがってしまい(暗幕に吸盤を付けて対応する人もいます)、撮影時にライブビューの確認も難しくなります。ただ、世間的にはあまり見られない専用機材のため、ちょっと目立ってしまいます。

忍者レフで夜景撮影時の写り込みを防ぐ例

【○】暗幕やコートでカメラを覆う

最も一般的な写り込み対策として暗幕やコート(衣類)を使う方法です。カメラにかぶせるだけで、写り込み防止効果は高く、理想は暗幕を使うことですが、コート類でも黒系であれば写り込みは防げるはずです。

※施設によっては夜景撮影用に暗幕の無料レンタルサービスを行っているところも。

暗幕でカメラを覆い、写り込みを防ぐ

【△】手袋でレンズの周辺を覆う

最後に紹介するテクニックが、手袋でレンズの周辺を覆い、写り込みを軽減する方法。暗幕類が禁止されている場所でも注意されることはまず無いでしょう。撮影姿も周囲に目立たず、手軽に写り込みを軽減できますが、一部分を覆うだけなので、構図によっては写り込みが防げない場合もあります。特にガラスに対してレンズを斜めに向ける場合などは注意が必要です。

手袋でレンズ周辺部を覆うことで写り込みを防ぐ
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