夜景撮影は一般的に絞りをF8.0~F11.0ぐらいの間で設定して撮影するのが望ましいと言われています。ただし、街灯などを写し込む場合は絞りすぎることで、光条が大きくなりすぎて目立ってしまうことも。ここでは絞り値の変化を見ていきたいと思います。
夜景撮影のガイドブックやインターネット上の情報で良く耳にする”光条(光芒)”という言葉。比較的近くに写る街灯や遠くの強い明かりを写した時に、明かりがクロス条に変化しているのに気付いたことはありませんか?光条とは絞りの羽が交差する部分から漏れてしまう放射状の光のことを意味し、絞りの値を変えることによって、光条が変化します。
光条は作品のアクセントになることもあれば、逆に目立ちすぎて困ってしまうことも。レンズによって光条の出方は大きく異なってきます。
レンズによって絞りの設定できる数値は異なりますが、一般的に開放値がF2.8やF4.0のレンズが中心となります。 下記の図を見て頂くとわかると思いますが、交換レンズの多くは絞りの開放値は円形絞りとなっており、ボケが綺麗な円形になるように設計されています。また、開放値で夜景を撮ると光条は出にくいようになっています。ところがF値を絞っていくと羽が交差していくのがわかると思います。交差した部分からクロス条の光が出てしまい、写真にも現れてしまいます。良くも悪くもクロスフィルターのような効果が得られてしまいます。
それでは実際に絞り数値の設定を変更しながら夜景写真を撮影してみましょう。絞り羽が8枚のレンズを使い、開放から1段ずつ絞って撮影しました。写真を見ての通り、開放値では光条がほとんど目立っていませんが、F11.0まで絞ってしまうと目立ちすぎるように感じます。今回の作例ではF8.0の光条が最も美しいように感じました。光源が弱い場所であればF11.0まで絞っても問題無さそうです。
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