本格的に夜景撮影を楽しむならデジタル一眼レフが最もお勧めですが、各メーカーから様々な機種が発売されており、値段も5万円ぐらいから60万円ぐらいまで幅広くラインナップされています。そこでこれから夜景撮影を始める方向けに機種の選び方を解説したいと思います。
小生がデジタル一眼レフを導入した2004年頃は、CANONのEOS 10D(約630万画素)が約20万円でした。 当時、エントリー向けのEOS Kiss Digitalの初代機が登場し、デジタル一眼レフが一般ユーザーに普及し始めた頃です。 現在はデジタル一眼レフの値段も大きく下がり、エントリークラスであれば5万円前後から購入できるほどです。
デジタル一眼レフの価格が下がり続ける一方、一部の機種はほとんど下がり続けることがなく、安くても15万円ぐらい、 高くて60万円前後もするクラスがあります。それがフルサイズのセンサー(撮像素子)を搭載したカメラです。 新製品のサイクルもエントリークラスに比べて遅く、2~4年ぐらいのサイクルでようやく新型機が出る程度です。
フルサイズセンサーを搭載した機種は画質面でAPS-Cよりも優れており、センサーの面積は約2.3倍にもなります。 センサーが大きい分、ダイナミックレンジの広さ・高感度・ボケの美しさなどが優れており、プロの夜景写真家はほぼ全員がフルサイズセンサーを搭載したカメラを使っているようです。
センサー | 大きさ | 本体の価格帯 |
---|---|---|
フルサイズ | 36mm×24mm前後 | 15万円~ |
APS-C | 23mm×15mm前後 | 5万円~ |
デジタル一眼レフを購入する場合、後々レンズを購入することも視野に入れる必要があります。エントリークラスであれば、キットレンズが付属していますが、より高性能なレンズが欲しくなってくる場合もあります。交換レンズはフルサイズ&APS-C両用と、APS-C専用のレンズが発売されており、前者の方が価格は高く、レンズの導入本数が増えるほどコストに差が出てしまいます。そのため、予め交換レンズの価格帯も調べた上で、APS-Cかフルサイズか決めるのが良いでしょう。
フルサイズセンサーのカメラを選ぶメリットとして、過去に35mmフィルムカメラ用に発売されてきたレンズをそのまま使える点が挙げられます(一部、使えないレンズもあるようです)。ただ、過去のフィルムカメラ用のレンズはデジタルカメラでの使用を考慮していないため、ゴーストやフレアが目立つケースが多いようです。フルサイズ用のレンズはズームレンズの場合だと10万円前後する機種が一般的で、APS-C専用のズームレンズに比べて価格は1.5~3倍の開きがあるようです。フルサイズの性能を活かすには良いレンズが欠かせず、何かとお金がかかります・・・
これから初めて夜景撮影をされる方でデジタル一眼レフを買われる方は5万円ぐらいからで買えるエントリー機種でも 十分だと思います。APS-Cセンサーでもコンパクトデジカメやスマートフォンに比べれば画質は雲泥の差です。APS-Cセンサーのデジタル一眼レフにもエントリー機と中級者向けの機種があるので、予算に応じて選ぶと良いでしょう。ただし、APS-Cセンサーのデジタル一眼レフを購入後、専用レンズを揃えてしまうとフルサイズへの移行時に専用レンズが全て使えなくなるので注意が必要です。
エントリー向けのデジタル一眼レフとミラーレスはだいたい予算的には同じぐらいになります。センサーの大きさが同じAPS-Cであれば、画質にはほとんど差が影響しませんが、使えるレンズの種類が異なる場合はレンズによる画質の差が出てくるでしょう。価格が同じぐらいであれば、デジタル一眼レフの方がレンズの種類が豊富で光学ファインダーが使えること、逆にミラーレスは小型軽量が大きなポイントになると思います。どちらを選んでも失敗することは無いでしょう。
川崎工場夜景や東京ベイエリアなど、人気の夜景スポットを公共交通機関や貸切バスで巡ります。
事前に撮影セミナーを実施(現地またはオンライン)しており、カメラ・夜景撮影初心者も気軽にご参加いただけます。
イベントの詳細はこちら北海道~沖縄まで厳選した161の夜景スポットと撮影テクニックを網羅した夜景撮影ガイドブック。
すべてのスポットに地図とQRコードを記載。
全国の書店にて販売中!(2,145円・税込)
書籍の詳細はこちら