プロかどうかは相手が決める(プロの定義)

先日とある飲食店で食事をした際、店主との会話を機に色々考えることがありました。
夜景撮影で遠出をしていた時、朝ご飯を食べようと偶然インターネットで見つけたお店に入り、店主から声を掛けられました。朝一でお店に入ったため、他のお客さんはいませんでした。

初めはたわいもない雑談だったのですが、「普段、何をされているんですか?」みたいな質問をされたので、「写真家です」と答えると返ってきた言葉が「大変失礼ですが、それだけで生計を立てられているんですか?」と。

その質問に対して「Webサイトやシステムの開発もやっていますよ」と答えると「そうですよね。今の時代、厳しいですよね」と言われ、その後は写真やWebの話が続きました。

いきなり突っ込んだ質問された時はビックリしましたが、とても美味しいご飯が食べられたので、またそのお店には行きたいと思っています。

さて、本題に入りますが、写真家・カメラマンに限らず、プロの定義・条件について話題に出ることがあります。一言で”プロ”と言っても定義や条件は業界や考え方によって様々。

例えば国家資格が必要な職種(医師、弁護士など)は資格を持つことでプロとみられ、誰もが客観的にプロと判断できます。資格を持つ=プロというのも正しい定義だと思います。

一方、国家資格が必要の無い業種(資格が無くても従事できる)であれば、自ら名乗ることでプロと位置付けられる職業もあると思います。私が長年関わってきたWeb・IT業界もその1つです。「Webエンジニア」や「プログラマー」と名乗って、プロかアマかなんて聞かれることはありません(聞かれればプロと即答します)。企業に所属またはフリーで活動していれば、それだけでプロと言われるでしょう。経験が無くても新入社員で入れば、入社した時点でプロとも言えます。

ライセンスを持つ「プロボクサー」などは肩書きに「プロ」が付いていても、ボクシングだけで生計を立てている人はごく一部と聞きます。プロ=生計とは必ずしも言えないわけです。

ちなみに写真家(カメラマン)におけるプロ・アマチュアの違いや定義について書かれているページもよく見かけます。写真においてはデジタル化の影響でカメラの性能が進化し、プロ・アマ問わず綺麗な写真が撮れるようになったのは周知の事実です。以前の記事でも明記しましたが、専業として食べていく道は今まで以上に厳しさを増しているようです。

私は約12年間、夜景写真を撮り続けていますが、自分では「プロ」とか「アマチュア」という表現を使っていません。プロフィールサイトにも一切明記していません。なぜなら私は

プロかどうかは相手が決める

と考えているからです。

”相手”というのは仕事の依頼者であったり、サービスの提供を受ける側を意味します。広く捉えれば、自分以外の全ての人(団体・企業含む)です。また、アマチュアであっても写真が上手ければ写真を見た人にはプロのように見えるかもしれません。(実際、プロより上手いアマチュアはたくさんいると思います)

これまでにメディア出演や各媒体の監修、写真講師などをさせて頂いてますが、当然ながら依頼者はプロと思って仕事を依頼してきます。プロは当然、相手の求める期待に最大限応えなくてはいけません。

一方で、プロの定義を「写真だけで生計を立てている」と厳格に捉えている場合もあります。写真家・カメラマン関連の団体は入会資格として「専業の写真家・カメラマンのみ」と定義されていることが多いでしょう。カメラメーカーのプロサービスも専業を条件としていることが多いです。専業の写真家・カメラマンから見れば、他に仕事を持ちながら写真家・カメラマンを名乗っている人をプロとは認めないかもしれません。これらの主張・考えも当然正しいと思います。

私の個人的な考えとして、依頼者(クライアント)の期待に応えられるのであれば専業でも兼業でも良いというのが持論です。

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