「夕景・夜景撮影の教科書」出版記念セミナー開催報告

「夕景・夜景撮影の教科書」出版記念セミナーの様子 夜景撮影セミナー・ツアー

2017年12月2日(土)、東京都中野区のケンコー・トキナー本社にて「夕景・夜景撮影の教科書」出版記念セミナーを開催させて頂きました。

イベントは有料(参加費:2,000円+ワンドリンク付)にもかかわらず、30名以上の方にお申し込み頂き、13:30~18:00頃まで約4時間30分にも渡る長丁場のセミナーにご参加頂きました。さっそく、イベントの様子をご報告させて頂きたいと思います。

イベントスケジュール

時間 内容
13:30~14:15 <イントロダクション>
出版エピソード
14:30~15:30 <セッション1>
1時間目:夕景
2時間目:ライトアップ&イルミネーション
15:45~16:45 <セッション2>
3時間目:工場夜景
4時間目:ジャンクション
17:00~18:00 <セッション3>
5時間目:手持ち夜景
6時間目:光跡・多重露光
18:00~18:30 補講・質疑応答・サイン会
19:00~21:30 懇親会(希望者のみ)

出版エピソード

夕景・夜景撮影の教科書の出版のきっかけ

まずは夜景撮影テクニックの解説に入る前に、出版エピソードについてお話しさせて頂きました。1冊目「プロが教える夜景写真 撮影スポット&テクニック」(日経ナショナル・ジオグラフィック社)から出版を志したきっかけなどを45分間(実際は10分近くオーバー・・・)お話しさせて頂くため、気合いを入れてスライドを作成しました。

イベントのプログラムを説明

本題に入る前には当日のタイムスケジュールを解説。途中に15分休憩を挟みますが、6つのテーマの撮影テクニックを教科書を見て頂きながら、じっくり解説していきます。スライドの量があまりにも多く、13時30分のイベント開始直前までスライドの修正・チェックをしていました・・・

出版記念セミナーの様子

私が当初目指していた出版企画や、時代のニーズ・価値観の変化を解説。私の思い込みかもしれませんが、若者の夜景や活字(本)に対する興味の薄れなどを感じており、私自身が夜景に対して「観る視点」から「撮る視点」に変わっていく心境の変化も伝えさせて頂きました。また、将来的に出版を考えている参加者もいると思い、簡単にではありますが、出版を成功させるポイントのもお話させて頂きました。

著書の紹介と比較

続いて、過去の著書2冊との違いについても解説。今までに出版された2冊の本は”撮影スポット寄り”の内容で、撮影テクニック面で網羅できていない部分もありましたが、「夕景・夜景撮影の教科書」は全体のおよそ85%が撮影テクニックの内容となります。そのため、末永く読んで頂ける一冊になることを想定して、およそ4ヶ月もの時間を掛けて、執筆させて頂きました。ちなみに1冊目も3冊目も同じ160Pのボリュームですが、本の重さは100g近く差があり、3冊目の方がずっしりと重みが感じられます。

1時間目:夕景

1時間目:夕景

夕景は今回、私が初めて挑戦した分野になります。これまで夜景だけを専門に撮影してきましたが、夕景がきれいな時間は移動中・ロケハン中であることが多く、普段から夕景を撮ることは正直、あまり意識していませんでした。

当初の私が提出した出版企画は「夜景撮影の教科書(仮)」だったのですが、出版社の要望もあり、最終的に「夕景・夜景撮影の教科書」とタイトルが変わって、新たに夕景撮影にも挑戦することになりました。当初は、夕景は夜景撮影に比べて簡単だろうと甘く見ていましたが、夕景は夜景以上に気象条件や地理的要因にシビアで、今回最も苦労した撮影ジャンルでもあります。その分、学びも大きかったです。

2時間目:ライトアップ&イルミネーション

2時間目:ライトアップ&イルミネーション

続いて、夜景撮影では定番と言える建物のライトアップや冬の風物詩・イルミネーションの撮影を解説。今回は夜景撮影初心者の方もお申し込みされており、前半の10分間は三脚の設置に関する注意点やカメラ設定の基本をおさらいさせて頂きました。ライトアップは露出補正による変化や、ライトアップスケジュールを確認することの大切さ、イルミネーションは構図やボケなど表現に関する部分を重点的にお話させて頂きました。

3時間目:工場夜景

3時間目:工場夜景

10年ほど前から工場夜景がブームになっており、工場は夜景撮影ジャンルの中でも特に人気があります。工場夜景スポットへのアクセス方法や撮影時の注意点(特に安全面やルール)、陸上からの撮影に適した機材などの解説をさせて頂きました。応用的な内容としては構図の工夫やフレアスタック・水蒸気の入れ方などを解説しました。

4時間目:ジャンクション

4時間目:ジャンクション

今までの撮影セミナー・ツアーではジャンクションスポットを解説することはほとんどありませんでしたが、本書には4Pほどジャンクションの撮影解説を載せたため、ジャンクションとインターチェンジの違いから撮影時のセッティングまでお話しました。光跡を入れるコツや広角レンズと魚眼レンズの違いなどを作例を見て頂きながら、よりキレイに撮るためのポイントを解説しました。

5時間目:手持ち夜景

5時間目:手持ち夜景

いよいよ最後のセッションとなりました。夜景撮影はカメラを三脚に固定して長時間露光が基本となりますが、最近は三脚が使えない場所も多く、手持ちで撮影しざるをえないシーンが増えています。手ブレ補正の解説も、最近流行の”5軸手ブレ補正”を活かした作例や、高感度設定できれいに撮った作例も紹介させて頂きました。また、足元が揺れる船上での撮影方法も時間を掛けて、解説させて頂きました。

6時間目:光跡・多重露光

6時間目:光跡・多重露光

いよいよ最後の授業となりました。6時間目は光跡の基本や種類について解説後、隅田川の撮影スポットを例に、屋形船の光跡の撮影と多重露光について解説しました。NDフィルターの使用方法やPhotoshopによる比較明合成の実演もさせて頂き、多重露光の魅力をたっぷり伝えさせて頂きました。

補講・質疑応答・サイン会

6時間目の授業が少し早く終わったため、RAW現像について軽く解説いたしました。現像ソフトで実演する時間は取れなかったのですが、本に掲載している作例のBefore / Afterを画面上に表示し、撮影後の画像処理の重要性についてもお話させて頂きました。イベントの最後にはサイン会をさせて頂き、著書を購入頂いた15名近くの方にサインをさせて頂き、これほど多くの方に本書が支持されていることを思うと、大変嬉しく思います。

イベント終了後は会場の片付けを済ませ、懇親会に向かい、古くから応援頂いている参加者の方や、新たに参加された皆さんとお酒を飲みながら交流させて頂きました。ここ最近はセミナーやツアーの機会が多いわりには、参加者の皆さんと交流する機会が少なかったため、今後は定期的に交流の場を設けていきたいと思います。

最後にご参加頂いた皆さん、本イベント企画に協力頂いたケンコー・トキナーさん、イベントの撮影を担当頂いたフォトグラファーの榎戸 正明さんには心より感謝の気持ちを申し上げたいと思います。また、私の企画を心よく受け入れて下さった技術評論社さんにも改めて、感謝の気持ちを申し上げたいと思います。

2018年以降も夜景撮影セミナーやツアーを開催していきますので、今後の”イベント情報”も楽しみにお待ち頂ければと思います。直近では2018年1月27日(土)に「有明・お台場夜景ウォーキングツアー」が企画されていますので、ご都合の付く方は是非後参加下さい。また2月以降には路線バスで行く川崎工場夜景撮影会も企画・検討しておりますので、詳細が決まりましたら告知させて頂きます!

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