写真家・カメラマンの厳しい現状

写真家・野寺治孝さんのブログを見て感じたこと。
結論から言うとこれから写真家・カメラマンを専業として目指すのはとてつもなく厳しい道のように思います。プロの写真家・カメラマンを名乗るのに資格は必要なく、誰でも自由に「プロ」を名乗れます。実績が無くても、プロを自称して仕事を取れる可能性だってあります。

一般的に言われていることですが、フィルム時代に写真を撮るということはある種の特殊技能とも言えました。私は夜景写真家を志した時点(2003年頃)でデジタルから入ってますが、フィルムで写真を撮られるカメラマンの技能には強い関心と憧れを持っていました。

今ではデジタルカメラの性能が進化し、カメラの操作を覚えればそこそこキレイに撮れるようになりました。夜景撮影の分野においても少しずつハードルが下がってきているように感じます。スマホでも夜景がキレイに撮れる場合もあり、カメラの高性能化にはただ驚くばかりです。一般の人が撮る”そこそこキレイな写真”にも立派な需要があります。現場では80点の写真で十分なケースが多く、100点の写真が必要になるケースは予算などの条件もあり、限られるのではないでしょうか。

最近はストックフォトの単価も下がり、写真を無償で提供するケース(使ってもらえれば嬉しい?)も増えていることでしょう。ストックフォトで稼いでいる人も多いようですが、昔は数万円した写真も数百円ぐらいまで下がっているケースも見られます。実際、無償+コピーライト無しでの写真提供依頼もあり、対応に悩むこともあります。

ここ数年、夜景写真家を名乗られる方も増えていますが、専業ではなく、日中は会社勤めをしている方が大半だと思います。(自分も会社勤めをしながら夜景写真家を名乗っていた時期もあります)

私自身も周りから「専業」か「兼業」か良く聞かれるのですが、Webエンジニアとして活動していることも率直に伝えており、今のところ問題になったことはありません。なにせ日中は夜景が撮れないという特殊な事情もあります(笑)

最も大事なことは依頼された個々のお仕事に対して、依頼側が満足いく結果が出せるかどうかだと思います。これは私個人の考えですが、兼業でも期待に応えられればそれで良いと思っています。そう考えると必ずしも「専業だけ=プロ」とは言えないと思います。依頼者にもよりますが、実際のところ専業か兼業かはそれほど気にしていません。ただ、兼業であってもプロに仕事を依頼するという感覚には間違いありません。

写真を趣味で楽しんでいるうちに、プロの写真家やカメラマンに憧れる人も多いと思います。
書店に行けば「プロカメラマンになる方法」を解説した本も見かけます。一方で、初心者向けの商品撮影などの解説本も見かけます。一眼レフ+照明器具でプロ級の写真が撮れるという切り口で。

ただ、プロとして覚悟を持ち、本気で写真家・カメラマンとして活動するには需要と供給のバランスも考える必要があると思います。いくら自身がプロになりたいと思っても、プロ写真家が座る椅子が残っていなければ生計は成り立たないと思います。

カメラマンとして安定した生活を送るなら、正社員でカメラマンを目指す道もあると思います。自分が好きな写真ばかりを撮れるわけではありませんが、依頼者のために写真を撮ることに喜びを感じられるのであれば、最高のお仕事かもしれません。

これからの時代、好きな写真だけを撮り続けるなら他の仕事をしながら、自己追求をする方が幸せかもしれません。写真家になっても生計を立てるためにカメラマンとして仕事をする必要があるのであれば、どちらを選んでも好きな写真を撮れる時間は大差が無いかもしれません。

<以下はおすすめの記事>

・最近の私と写真界
http://www.nodera.jp/essay/essay1305.html

・写真家を目指す人へのアドバイス
http://www.nodera.jp/essay/essay0601.html

・写真家を目指す人たちへ ~基本の基本~
http://www.nodera.jp/essay/essay1209.html

・最近、思うこと
http://www.nodera.jp/js-note.html

・プロ・カメラマンとは
http://www.nodera.jp/js-note/js-note1109.html

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