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感動夜景

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花火撮影テクニック

花火撮影は誰もが綺麗に撮りたいと思うジャンルの一つ。最近はスマートフォンやコンパクトデジカメで花火を撮る人が増えていますが、どうも綺麗に撮るのは難しいようです。そこで、今回は一眼レフやミラーレス機が中心になりますが、花火を撮る方法を解説したいと思います。最後にはコンパクトデジカメでの作例もご紹介します。

花火撮影に必要な機材

花火撮影に必要な機材ですが、夜景撮影とほとんど同じだと思っていいでしょう。 基本的な夜景撮影機材が揃っていれば、新たに揃える必要はありませんが、リモコン類はバルブ撮影時には必須となるので、 持っていない方は事前に用意しましょう。ワイヤレスでも良いですが、レリーズタイプでシャッター速度を自由に決められるものが使いやすいと思います。遮光紙は花火の打ち上がる間隔が長い時、花火が打ち上がってない間に遮光紙でレンズを覆うときに使います。

夜景撮影機材一式
写真は通常の夜景撮影時の機材

必須・推奨機材

  • カメラ本体(バッテリー・記録メディア含む)
  • 交換レンズ
  • 三脚(3Wayの雲台を推奨)
  • リモコン類(レリーズまたはワイヤレス)
  • 水準器(カメラ内蔵でも可)

あると便利な機材

  • NDフィルター(2~3段分を目安)
  • ライト類(ペンライト・ヘッドライトなど)
  • 遮光紙(黒いうちわ、黒い下敷きなど)
  • レジャーシート、折りたたみ椅子など(使用禁止の場所に注意)
  • メンテナンス用品(ブロワー・クロスなど)
  • 虫除けスプレーなど(撮影中に身動きが取れないため)

花火撮影に最適なカメラ・レンズ

カメラ本体の比較

まずはカメラ本体ですが、やはりフルサイズのデジタル一眼レフが最も画質面で有利となりますが、 カメラ本体が重い分、三脚も頑丈で重量のあるものが必要になります。よほど画質にこだわらなければ、APS-Cサイズのデジタル一眼レフかミラーレスでも十分です。コンパクトデジカメでもマニュアル撮影機能が搭載された機種であれば、意外と綺麗な花火写真が撮れることでしょう。スマートフォンの場合はシャッター速度を変更できるアプリと固定器具があれば綺麗に撮れるかも!?

- 一眼レフ
(フルサイズ)
一眼レフ
(APS-C)
ミラーレス コンパクト
デジカメ
スマートフォン
評価
特徴・注意点 ・ダイナミックレンジが広い
・広角に強い
・機材の重量がかさばる
・センサーが小さいため、望遠側に有利 ・小型軽量で持ち運びが容易
・リモコンへの対応状況の確認が必要
・荷物がほとんどかさばらない
・マニュアル撮影に対応した一部の機種が少ない
・カメラ用三脚が使えない
・標準の撮影機能で花火撮影は難しい。(アプリで対応)

レンズの比較

続いてレンズ選びとなりますが、花火撮影が始まるとレンズを交換している余裕が無くなるので、 できれば標準ズーム一本で撮影するのが望ましいでしょう。もし心配なようであれば、広角ズームと望遠ズームをそれぞれ持ち歩くと安心です。もしくは、機動性重視であれば高倍率ズーム1本でも良いでしょう。

レンズの種類 焦点距離(フルサイズ換算) シチュエーション
広角ズーム 16-35mm / 17-40mm など 花火との距離が近い場合
夜景と一緒に撮る場合
標準ズーム 24-105mm / 28-70mm / 28-75mm など 花火全体を撮る場合
望遠ズーム 70-200mm / 120-300mm など 花火との距離がある場合
花火の一部を切り撮る場合
高倍率ズーム 28-300mm など 画質より万能さを重視して撮影する場合

花火撮影のロケーション選び

花火撮影でロケーション選びはとても重要です。花火会場にギリギリに着くと人だかりで良い場所を取れずに苦労する可能性も。なるべく日中には現地入りして、最前列をキープするか、ギリギリになってしまう場合は斜面や階段など前方の人の姿が入りにくい場所を選びましょう。また、デッキや橋の上は揺れることが多いので要注意。

また、花火大会のホームページやプログラムで打ち上がる場所や当日の天気や風向も確認しておくと良いでしょう。

花火会場の雰囲気(鶴見川)
写真のように斜面だと前の人が視界に入りにくくなり、構図が楽になる。

不向きなロケーション

  • 三脚が立てられないほどの人混み
  • 足場が揺れやすい橋やデッキの上
  • 砂場(三脚のロックを保護する必要あり)

理想のロケーション

  • 三脚が使える有料席
  • 花火会場の最前列
  • 階段や斜面

花火撮影のセッティング

花火撮影のセッティングは夜景撮影とそれほど変わりません。レリーズがある場合はバルブ撮影モードに設定し、 ピント合わせはAFにしておいて、花火が打ち上がってからピントをすぐに合わせ、MFに切り替えてピントをロックすると良いでしょう。

  • (1)撮影場所を確保し、三脚をセッティング
  • (2)三脚にカメラを取り付け、カメラ本体にレリーズを接続
  • (3)花火の打ち上がる場所にレンズを向け、構図を決める
レリーズを持っている写真
写真は夜景スポットでのセッティング例だが、極力バルブ撮影モードでレリーズを使いたい。

花火撮影時のカメラ設定例

■撮影モード ◎バルブ撮影 / ○マニュアル撮影
■シャッター速度 バルブ:花火が打ち上がった瞬間から消える時までシャッターを開放
マニュアル:8~15秒程度
■ISO感度 50~200 ※なるべく低感度
■ホワイトバランス AUTOまたは白熱電球(基本的に好みの設定で良い)
■フォーカス AF:初めに打ち上がった花火にピントを合わせ、MFに切り替え固定
MF:日中に遠くの方にある建物などにピントを合わせておく

三脚などが無くてカメラがどうしても固定出来ない場合、手すりやテーブルなどを使ってカメラを固定したり、体を壁などにもたれさせて、少しでも長い間シャッターを開けられるように工夫してみましょう。

花火の作例紹介

それでは実際に撮影した花火の作例を紹介します。1枚目~3枚目はデジタル一眼レフで撮影した花火写真ですが、最後の1枚だけはコンパクトデジカメで撮影しました。コンパクトデジカメでもマニュアル撮影や花火モード(長秒時露出)があれば、綺麗な花火写真が撮れる可能性は十分にあります。

花火の作例1 花火の作例2
[ カメラ ] CANON EOS 5D Mark2 [ レンズ ] TAMRON 28-300mm [ 焦点距離 ] 28mm [ 撮影モード ] バルブ撮影 [ シャッター ] 4秒 [ 絞り値 ] F11.0 [ ISO感度 ] 100 [ WB ] オート [ AFモード ] マニュアル [ カメラ ] CANON EOS 5D Mark2 [ レンズ ] TAMRON 28-300mm [ 焦点距離 ] 28mm [ 撮影モード ] バルブ撮影 [ シャッター ] 6秒 [ 絞り値 ] F11.0 [ ISO感度 ] 100 [ WB ] オート [ AFモード ] ワンショット AF
花火の作例3 花火の作例4
[ カメラ ] CANON EOS 5D Mark2 [ レンズ ] TAMRON 28-300mm [ 焦点距離 ] 28mm [ 撮影モード ] バルブ撮影 [ シャッター ] 9秒 [ 絞り値 ] F8.0 [ ISO感度 ] 200 [ WB ] 白色蛍光灯 [ AFモード ] マニュアルフォーカス [ カメラ ] CANON PowerShot S100 [ レンズ ] - [ 焦点距離 ] 約38mm [ 撮影モード ] マニュアル [ シャッター ] 15秒 [ 絞り値 ] F8.0 [ ISO感度 ] 80 [ WB ] オート [ AFモード ] マニュアルフォーカス

スマートフォンの場合、三脚穴が無いためにカメラの固定が難しく、標準のアプリではシャッター速度の調整ができないケースが多いようです。瞬間的に消える花火であればスマートフォンでも撮れる可能性はありますが、数十秒間にかけてゆっくりと打ち上がる花火は綺麗に撮れません。どうしてもスマホで撮影したい場合はシャッター速度を変更できるアプリなどを入手し、スマートフォン用の三脚などで本体を固定する方法が望ましいでしょう。

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